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2007年2月23日 (金)

残酷と非情のその先の不幸を見据えて

今回の捕獲は2匹のメス猫でした。2匹とも明らかに妊娠していましたが、今日動物病院に不妊手術のために預けてきました。胎児を中絶して不妊手術することは、賛否両論あり難しい問題です。つるみ・地域猫をすすめる会では胎児は中絶し、火葬をお願いしています。私たちは、動物の「種の保存」という命を繋いでいく本能を無視して、 人の手でコントロールしているという重みをいつも考えながら活動しています。 私たちも心が痛んでいます。 飼い主のいない不幸な猫が減り、人と猫が地域で共に生きるまちづくり、 そしてこの会の活動が必要なくなるような社会をめざしています。

港南区でノラ猫を減らす活動をしている港南キャッツアイの会報「にゃん5」(2006.9月発行)の記事から承諾を得て掲載させていただきます。

「悪意なき不幸の種」
 港南キャッツアイ連絡協議会会長 太田 雄一郎(港南動物病院 院長)

キャッツアイの活動の中心である、年間50頭ののらねこ無料手術も、早7年を過ぎ、単純にその数を合わせれば、350頭に達しているわけで、その他補助の対象にしてきた数を合計すれば、手術を受けたのらねこは、凡そ2000頭に及びます。のらねこの実数は、性格に把握できませんが、減少したというのは、確かな実感です。例えば1月から3月までは、子猫の貰い手がいるのに、子猫がいないという現象があります。この傾向は、このところ何年も続いているのですが、そういう時期が長ければ長いほど、不幸な環境を背負った猫が、巷を徘徊する率が減少するわけですから、手術の成果と考えても良いでしょう。
私の動物病院における、この歓迎すべき傾向は、3月から更に4月末まで延長しつつあります。そして、3月から5月までの不妊手術の約9割は妊娠中であり、つまり、この時期は1頭でも多く手術をしなければ、疎まれて世に出るのらねこを看過する結果となるわけです。3月までとは、状況は逆転し、子猫が溢れ、貰い手が見つからないことも少なくありません。「捨てる神あれば、拾う神あり」という言葉がありますが、のらねこの場合、確かにどちらも神なのかもしれません。
猫嫌いな人は、元々拾って飼ったりしませんから、捨てる人も、殆どは猫好きか、人情家なのでしょう。ただし、計画性と責任感に欠けることが、不幸の種を撒き続けているのです。妊娠したメス猫は、多くの外敵から身を守り、多くの栄養を胎児に与えるため、幾多の危険を冒し、出産に辿り着きます。もし、この猫たちを擬人化するなら、そんな困難を乗り越えてきた女性を捕らえ、腹を割いて、胎児もろとも卵巣子宮を摘出する行為は、何と残酷で非情なことでしょう。でも、私はメスを止めません。その先の何倍もの不幸をよく知っているからです。そして、いつか、この悲しい現実が終わることを祈るばかりです。

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